サービス内容
在宅訪問は下記のように実施させていただいております。
● 保険調剤における基本業務
調剤、薬剤服用歴の管理、薬剤の重複投与・相互作用の回避、副作用の確認等を行います。
● 薬剤のお届け
ご自宅、施設まで薬剤をお届けします。
※お届け日などは事前に確認を行います。
● 調剤の工夫・投与法のご提案
患者さまの希望・症状・状況にあわせ、さまざまな工夫やご提案をいたします。
- 調剤の工夫
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■一包化
飲み間違えや飲み忘れを防ぐ為に錠剤・カプセル剤を包装から取り出して、服用する時間ごとに1回量ずつ分包して調剤します。日付・名前・用法・薬品名・診療科等印字できます。赤や緑などカラフルなラインをお付けすることもできます。■粉砕等
飲みこみが難しい場合は、医師と相談して粉薬や液剤に変更したり、錠剤をつぶしたりすることもできます。 - 投与法のご提案
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■簡易懸濁法
簡易懸濁法とは、嚥下障害のある患者様や経管栄養などを施行されている患者様に使う投与法です。服用時に1回服用量の錠剤・カプセル剤をカップに入れて、およそ55℃の温湯20mlに入れてかき混ぜ、10分間自然放置します。崩壊・懸濁させた懸濁液を注入器(ディスペンサー)に吸い取り経管投与する方法です。利点として粉砕による光や温度による影響や、配合変化等の問題を解決できます。ただし、すべての薬剤が簡易懸濁法を利用できるわけではありません。その場合は医師と相談して可能な薬剤へ変更を行っております。■外用剤への変更
最近では薬が飲めない方のために貼り薬で飲み薬と同じ効果を示す薬剤が発売されています。症状の進行に伴い服薬が困難になった場合は医師と相談し薬剤変更をご提案します。パーキンソン病薬
- 服薬支援グッツのご提案
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お薬カレンダー
点眼補助用具
一包化したものを
自動で開ける補助機
- 薬剤のセット
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一包化した薬剤を、お薬カレンダーなどへセットいたします。
- 薬剤管理の軽減化
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施設スタッフの作業軽減化のため、配薬カートへのセットなども行っております。またお名前シール貼付なども行っております。
配薬カート
お名前シール
● 服薬状況、残薬および過不足薬の確認・指導
薬の飲み残しなどを確認し、過不足がある場合は原因を一緒に考えます。必要に応じて用法変更や投与日数の変更できないか医師への確認を行います。
● 薬剤や医療材料の廃棄
期限切れの薬剤や、使用済み医療用麻薬、インスリン等の注射針を回収し廃棄処理します。
● 在宅介護用品、福祉機器等の供給、在宅医療機器、用具、材料等の供給
介護用おむつや流動食等、随時購入していただく商品につきましては、ご自宅や高齢者施設へ無料にて配達しております。商品内容のご相談も随時受付しておりますので、是非ご利用ください。
料金はお持ちの保険の種類、現在利用されている保険やお住まいの状況等によって異なります。
薬代の他に下記の料金がかかります。
料金 ※5 | 介護保険 ※1 | 医療保険 ※2 |
単一建物診療患者が 1人の場合 ※3 |
517円 | 650円 |
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単一建物診療患者が 2~9人の場合 ※3 |
378円 | 320円 |
単一建物診療患者が 10人の場合 ※3 |
341円 | 290円 |
臨時(緊急) 訪問時料金 |
- ※4 | 500円※6 200円※7 |
上記表は自己負担1割の場合。1回のご利用につきかかる費用です。
- ※1:介護保険 (介護予防)居宅療養管理指導費
- ※2:医療保険 在宅患者訪問薬剤管理指導料
- ※3:「単一建物診療患者」とは、個人宅や介護施設など、同じ建物に住んでいる人のうち、訪問診療サービスを利用した人数のこと。
同居する同一世帯の利用者が2人以上いる場合、利用者が同じ建物の戸数の10%以下の場合、または20戸未満で利用者が2人以下の場合には、患者さまごとに650円かかります(自己負担1割の場合)。 - ※4:医療保険にしかない項目のため、介護保険をご利用の方でも医療保険をご利用いただくことになります。
- ※5:麻薬の使用に関しては、100円が追加されます(自己負担1割の場合)。また、6歳未満の乳幼児に関しては、200円が追加されます(自己負担2割の場合)。
- ※6:在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料 (計画的な訪問薬剤管理指導に係る疾患の急変に伴うものの場合)
- ※7:在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料2(上記以外の場合)
● ご利用可能回数
- 回数
- 定期的:4回まで/月
- 保険の種類
- 医療保険・介護保険
- 回数
- 定期的:2回まで/週、8回まで/月
- 保険の種類
- 医療保険・介護保険
- 回数
- 緊急:4回まで/月
(①在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料と②在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料2を合わせて、月4回が限度となります) - 保険の種類
- 医療保険
■基本
■末期の悪性腫瘍の患者さま・中心静脈栄養法の対象患者さま
■臨時(緊急)の訪問※
※医療保険にしかない項目のため、介護保険をご利用の方でも医療保険をご利用いただくことになります。
現金またはお振込、クレジットカードにてお会計していただきます。
高齢者施設の場合は毎月初めに先月分のお薬代を一覧表にしてお届けします。
- ご相談・ご連絡
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まずは、当薬局の在宅訪問までの流れをご説明いたします。(相談無料)
ご家族の方、ご施設の担当者様、ケアマネージャー様、お気軽にご連絡下さい。 - 医師の同意
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かかりつけの医師に、薬剤師の在宅訪問について同意してもらいます。(医師の処方せん指示で、在宅訪問が可能となります)
- ご訪問・服薬のサポート
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医師の処方せんに基づいて調剤したお薬をお届けします。お薬についての効果や副作用、食品(健康食品)などによるお薬への影響などの説明を行いお薬のまとめや粉砕のご提案なども行います。
※訪問日時は、ご本人やご家族、施設職員の方とご相談のうえ決定します。
※法令に基づき、訪問1回ごとに料金が発生します。詳しくは担当者にお尋ねください。 - 情報提供
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医師や医療機関、施設職員の方、ケアマネージャー様へ情報提供し、連携して患者さんのケアを行います。
高齢者の皆様へ・・・ぜひ薬剤師までご相談を
医薬品と一口に言っても様々な種類(効果、用法、形等)があります。
これらを適切に管理することは簡単ではありません。
薬の管理は、専門家である薬剤師にぜひお任せ頂き、ケアマネージャーさんをはじめ多職種の皆さんは、薬の管理に時間を取られることなく、それぞれの専門分野に専念してもらえたらと思います。そのことによりご家族の皆様のご負担も、一層やわらげる事ができたらと考えております。
事例1: 血糖値コントロールがうまくいかないEさん
- → 薬の飲み方、注射の指導で解決
- Eさんは70歳の独居女性。十数年前から糖尿病と診断され、治療のために内服薬とインスリンの自己注射薬が処方されていました。しかし、血糖値のコントロールがうまくいかず糖尿病は悪化、合併症により血行障害を引き起こし、「このままでは下肢切断です」と医師から宣告を受けました。
担当するケアマージャーは薬局薬剤師に相談し、訪問してもらうこととなりました。薬剤師が訪ねてみると、内服薬、インスリン注射薬ともに保管状況が悪く、しかも飲み忘れや注射し忘れと思われる薬が大量に発見されました。そこで、薬剤師が再度薬の飲み方を説明、注射に関しても手技を行いながら確認しました。すると、徐々に使用状況が改善し、内服も注射もきちんとできるようになりました。血糖値のコントロールもうまくいくようになり、下肢の切断を免れることが出来ました。
事例2 : 片まひで取り出しにくいDさん
- → 箱に仕分け。片まひでも取り出しやすく
- Dさんは73歳の独居男性で、2005年に脳梗塞を発症。後遺症による右片まひと精神障害があり、さらに高血圧の既往症がありました。処方薬として血圧を下げる薬、前立線肥大症の薬、胃酸を押さえる薬、吐き気止め、睡眠導入剤、安定剤が出ていました。しかし、睡眠導入剤と安定剤は服用できているものの、それ以外の薬はほとんど服用できていない状態でした。
そこでケアマネージャは知人の薬局薬剤師に相談をしました。早速薬剤師が訪問し、服薬状況を確認したところ、以下の問題点が発見されました。- 1.大きめの錠剤は飲みにくいため、服薬していないかった。
- 2.飲んで効いている実感のある安定剤と睡眠導入剤以外は、何に効く薬か分からないので飲んでいなかった。
- 3.片まひがあるため、シートから薬を取り出しにくかった。
次に、どれが何に効く薬がわかってもらえるように、薬効について再度説明した上で、薬の服薬方法と薬効が一目でわかるように分類できる薬箱を作りました。最後に、片まひでも服用しやすいように、あらかじめ薬をシートから取り出し、分包しました。これらの工夫により、Dさんは「何の薬かよく分かり、飲みやすく、しかも取り出しやすくなった」と言って、きちんと薬を飲めるようになりました。きちんと服用することで、血圧や前立腺の症状も改善しました。
事例3 : 多くの薬剤を併用 整理がつかなくなったAさん
- → 一包化とお薬カレンダーで解決
- 独居のAさんはB病院の心療内科と近所のC診療所(内科)を受診していまいた。B病院からは7種類、C診療所からは4種類の合計11種類の内服薬が処方されました。しかし、Aさんが自分で薬を管理したところ、整理がつかなくなってしまったのです。
担当のケアマネジャーは近所にある薬局の薬剤師に訪問を依頼、訪ねてみると、B病院、C診療所が出した薬が袋に入ったままだったことなどから、飲み間違えや飲み忘れがあると分かりました。そこで薬剤師は処方薬の中に重複や飲み合わせてに問題のあるものが出ていないかなど確認し、対応を検討しました。結果、まず飲み忘れ防止対策として、Aさんが朝、昼、晩ごとに服用する薬1回分を1袋にまとめること(一包化)を提案、B病院、C診療所の医師に了解を取り付けて実施しました。一包化を行う際は、ただ単に一つにまとめるだけでなく、現在飲んでいる薬の内容を再確認し、湿気に弱い薬や光に弱い薬など、シートから取り出すことに問題がある薬が含まれていないかどうか確認しています。また、飲み合わせに問題がある薬や同じ効果の薬が出ている場合には、医師と相談して処方内容の変更も行っています。さらに、服用状況を本人を含め誰が見ても分かるようにするため「お薬カレンダー」を活用しました。結果、Aさんの服薬状況は改善、見守りもしやすくなりました。